
【放送日時】11月3日(月)
【達人名】青果の達人 花房敏浩
〜ラ・フランス(西洋梨)〜
■属性・・・バラ科ナシ属
■梨の種類・・・大きく分けて、西洋梨(ラ・フランスなど)・日本梨(幸水・豊水・20世紀など)・中国梨(岡山市西大寺地区特産のヤーリー梨など)があります。
今回取り上げるラ・フランスは、西洋梨の中で最も生産量が多く一般的な品種です。

■西洋梨の種類・・・主な品種として、ラ・フランスの他にル・レクチェ、シルバーベル、ゼネラルレクラークなど10種類以上が流通しています。
■ラ・フランスの名前の由来・・・名前の通り、1800年代にフランスで発見され、明治時代に日本に導入され、今日に至ります。
しかしながらフランスでは、栽培の難しさなどの理由により現在は栽培されていません。
■ラ・フランスの生産量と産地分布・・・西洋梨の約8割を占め、そのうち2/3をを山形県産が占めます。
他に長野、福島、青森などの東北・信越地方が主産地です。
■成分・効能・・・【カリウム】高血圧予防
【食物繊維】便秘予防に良い
【ポリフェノール(アントシアン、フラバノール)】がん予防効果
■ラ・フランスの食べごろ・・・「追熟期間」(収穫後に熟度を進める事)が鍵。ラ・フランスは「もぎたてが一番おいしい」果物ではないのです。収穫直後のラ・フランスを食べてみても、固く、ほとんど味も香りもありません。
軸の周囲の盛り上がっている「肩」と呼ばれるところを触ってみて耳たぶくらいのやわらかさになったころが食べ頃です。この時に「完熟」と表現されます。豊かな香り、あっさりとしながら濃厚な甘み、それに何と言ってもシルクのような繊細な舌触り、それがラ・フランスです。購入時にまだ硬いと思われれば、室内に飾って目で楽しみましょう。
その後、上述の食べごろサインを確認して食して下さい。
■ラ・フランスの出荷・・・追熟が鍵となるので、産地で予冷(収穫してすぐ摂氏2〜5度の低温貯蔵庫に入れ、10日間ほど呼吸作用を抑制する事)をした後に、出荷されます。
常温に戻すと、ラ・フランスは一斉に呼吸してデンプンを糖分に変え、約2週間後が食べ頃になります。
■保存方法について・・・長期保存したい場合は、ビニール袋に入れて冷蔵庫に入れます。
ただし追熟が止まってしまうので、食べる数日前には常温で追熟させるようにしてください。追熟させた時は、紙袋などに入れて20度前後の部屋で保存します。ただし、30度を超える場所で保存すると、追熟障害が起こるので注意してください。また、早く追熟させたい場合には、りんごと一緒にビニールに入れておきます。

【放送日時】11月10日(月)
【達人名】鮮魚の達人 小倉正幸
〜鰆〜
我々岡山に住むものにとって鰆は、魚の中でも特別な思い入れのある魚です。普段の食卓にも上りますが、晴れの日の食卓には欠かせないご馳走の献立に登場します。この何年かは、「ミスターさわら」のオンステージにより「鰆じゃ」という事で岡山の食文化の再発見が行われていることは皆さんご存知の事と思います。
■旬・・10月の下旬から11月になると岡山の中央卸売市場では鰆の入荷量が増えます。漁場として遠くは山東半島、遼東半島の南側海域(流し網)、国内では壱岐対馬(釣)、豊後水道(大敷網)、紀伊水道(大敷網)、淡路島(大敷網)、山口県から福井県にかけての日本海(定置網)などです。
脂の乗った鰆は11月から2月にかけての期間が最もおいしくいただけます。3月中ごろから6月にかけては抱卵準備抱卵そして次世代の誕生。誕生し幼生は、水温が上昇し梅雨により発生した豊富なプランクトンのもとで育っていきます。鰆は回遊魚なので夜も眠らず食餌を求めて泳ぎ回っています。一昨年あたりから水温上昇のためか漁獲海域が北上しているような気がします。これは、食餌となる小鰯、片口鰯の分布が変化したためだと思われます。自然界の生き物は全て食物連鎖の上で生きているからです。

■こだわり・・我々にとって重要な事は水揚げ地ではありません。安全である上で、美味いか否かです。脂の載り、鮮度の保持、そして取り扱い。この三点でほぼ全ては決定します。特に今回お話している鰆は、取り扱い方が難しくデリケイトな魚の代表格なので市場でも特にその取り扱いには注意をしています。慣れない若衆が鰆を触ろうとすると「触るな、十年早い」という先輩の声が飛びます。その魚が旨いかどうか評価するに当たって、産地も重要ですが、使用された漁法も同様に重要な要素となります。また一尾一尾の個体差もあるのでなかなか簡単にはいきません。鮮魚店や百貨店そしてスパーに並んでいる鰆の品質、品揃えでお店のレベルが、判断できるといってもこの岡山では過言ではありません。
■目利きの仕方・・正直に申し上げると消費者の皆さんには無理です。ぜひ、お店の人に聞きましょう。「刺身がほしいが、今日は美味しい鰆はありますか。」とか「フライ用として使いたいのだけどそれに向く鰆はありますか。」という具合に料理法と合わせてお尋ねいただければ、お店の人も答えやすいと思います。この時期たいていのお店では、お客様のご要望に備えて3〜4種類の鰆を用意していると思います。
これから約4ヶ月間、鰆が最もおいしく頂ける季節です。このチャンスを是非ご利用ください。

【放送日時】11月17日(月)
【達人名】青果の達人 矢吹一郎
〜あたご梨〜
■あたご梨・・・岡山県が全国生産量の約40%を占める特産品
あたご梨は20世紀梨と今村秋との自然交雑により生まれたものだといわれて
いますが定かなことは不明だそうです。今はやりのDNA鑑定でもすれば確定出来
るのではないでしょうか?
梨は大きく分けて、ラ・フランス、ゼネラルレクラーク等の西洋梨、ヤーリー
(鴨梨)ツーリー(慈梨)等の中国梨、20世紀梨・幸水等の日本梨の3種があります。
日本梨は又赤梨・青梨に分かれ、今日紹介するあたご梨は晩生の赤梨です。
大正4年に梨博士として高名な菊池秋雄氏が、育成地の近くにあった愛宕山に
ちなんで命名されたといわれています。
岡山県には昭和18?20年頃導入され、岡山市大多羅の篤農家竹原恵氏によ
り栽培技術の改良が重ねられ、今のように大きくて甘い梨が生まれました。
私が始めて食したのが25〜6歳の頃知人の家で竹原さんのあたご梨だということで
した。市場には当時未だ大きな玉の物は出てきていませんでした。(現在60歳)
竹原氏によって確立された栽培技術は100年以上の梨栽培の歴史を持つ西大寺
西隆寺雄神地区を始め県下一円に導入され、歳末の贈り物の定番としての現在の地
位を確立したものです。

■あたご梨のおいしい食べ方・見分け方
あたご梨は甘みこそ新高には劣りますが、甘みと酸味のバランスが良いのが特徴
です。収穫してもすぐ出荷されません。ある程度追熟させて出荷されますので、お
買い求められてすぐにでも美味しくいただけると思います。また、日持ちの良い梨
ですから新聞紙等に包んで温度変化の少ない冷暗所に保存し追熟させれば香りも増
してきますし2月頃までお楽しみいただけます。
果物は、一般的に見た目より重たく感じるもののほうが、実が充実していて美味
しくいただけます。梨も同様です。ただし野菜の場合レタス・キャベツ等の巻物は
この限りにありません。
■その他市場に出ている梨
岡山県が全国生産の殆どを占める品種
○パスクラサン・・・フランス原産の西洋梨で赤磐市由津里地区の農家7戸で全国生産
の大半を占める希少品種です。甘い香りととろけるような甘さが特徴です。
○ヤーリー梨・・・岡山市雄神地区が全国でも唯一の産地です。日持ちのよいことから
戦前には輸出をされていたようです。鴨が首をすくめた時の姿に似ているということで
この名が付いたそうです。なんと言っても甘美な香りが特徴で、上品な甘みとシャキ
シャキ感ある肉質で根強いファンが多い梨です。